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2012年10月

2012年10月20日 (土曜日)

『古典学入門』池田亀鑑著から「古典解釈」について

116ページ
「古典解釈には、歴史的、社会的諸事実に関する知識が必要である。言語ですら、実は歴史的な諸事実の中の一事実にすぎない。「時」の経過は、言語を不明にするばかりでなく、人間生活の一切のものを不明にする。その不明にされたものによって構成されている作品の正しい解釈のために、古代学の知識の体系を照らすことは大切な方法にちがいない。有職故実ということばで表現されている古代生活の全般、政治、法律、経済、宗教、風俗、習慣などの一切がある程度まで分かっていなければ、ただそれらの中の一部である言語が形式的に孤立してある程度分かっていたとしても、それのみで正しい解釈ができるはずはない。アーサー・ウェリイ氏の英訳『源氏物語』は、優雅な古典的英語を駆使した名訳であるが、やはり、ところどころに誤りがないわけではない。そういうところは日本の古代に対する知識が十分でないところに原因がある。これはおそらく現代の日本人にもいえることであろう。平安朝文学の専攻学者でも、あるいは一条朝の衣食住について、たしかなことを形の上に示すことはむつかしいかも知れない。文法的に正しいといっても、内容的にまちがっていてはどうにもならない。」

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Unicodeの漢字配列順

Unicodeの漢字配列順は『Unicode標準入門』によると以下の辞典の配列に基づいているようだ。

1)《康熙字典》第7版,中華書局,中国

2)『大漢和辞典』修訂版,大修館書店,日本

3)《汉语大字典》第1版,四川辞書出版社、湖北辞書出版社,中国

4)「大字源」第1版,三省出版,韓国

優先順位も上記のとおりらしい。

Unicode標準入門

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2012年10月19日 (金曜日)

『學問の曲り角』と中国留学生

河野與一著『學問の曲り角』を繙読していたところ,こんな話が載っていた。

著者が桑木厳翼の哲学の講義を受講した際,隣に坐り合わせた大人しそうな学生から講義ノートを借りる話があって(245ページ),その学生が中国留学生で名前は范壽康といった。それは帰国後安徽大学文学院院長などを経て戦後は台湾大学哲学系教授兼図書館館長を歴任し1983年に北京で逝去した范壽康のようだ。

戦前,のべ数万人の中国留学生が日本にいたので,当時どのような交流があったのか,日本の学生が書き残しているものを調べてみたくなった。

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2012年10月18日 (木曜日)

『考える技術・書く技術』

112ページ
「情報社会では情報を集積するよりも、情報を上手に捨てることが必要であるから、時間をおいて読み返して、不要なものは思いきって捨てるべきである。この捨てる作業は、ファイルのときだけでなく、書きものをしたり報告をしたりするときなどに、あらためて捨てるべきものは捨てて、つねに役立てるような状態に保つという風に継続して行わなければならない」

ちょうど40年前に書かれた本書を書籍整理していて見つけた。あのころからまったく進歩していない自分がいる。

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2012年10月 1日 (月曜日)

“Oxford Learner's Pocket Dictionary with Illustrations”

フツーの英和辞典と発音記号が違うものだから,対照表を作っていたのだけれど,本書のKey to phonetic symbolsのところを写していてびっくりした。発音記号が3ヶ所も間違っているのだ。

ɜであるべきところがʒとなっている。例の“fur”の発音が“fɜ:(r)”ではなく“fʒ:(r)”になっている。

“ɔɪ”の例“join”の発音が“dʒɔɪnではなく“dʒɔmとなっている。

“θ”の例“thin”の発音がθɪ n ではなく θənとなっている。

「権威主義者」と自認している小生はどう対処したら良いのだろうか。まさか,ポケット辞書とはいえ天下のOxford University Pressから出版されている辞書において,こんな事が現実に存在するとは!

もしかしてこれは「重箱の隅をつつく」ということなのか? こんなことは些細なことなのか?

ここである言葉を思い出した。

「愛する神はデタイル(細部)に宿り給う」“Der liebe Gott steckt im Detail.”(『思想のドラマトゥルギー』(七)五百年目のマキアヴェリ)

この言葉を流行らせたことにされている林達夫が存命ならばこの誤記を如何に考えるか尋ねてみたいところだ。氏には辞書に関する論考がいくつかあることだし。(著作集第6巻「書籍の周囲」など)

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